帆走指示書

2011年レーザーラジアルクラス全日本選手権大会
2011年11月4日~6日 於 境港公共マリーナ
主催 日本レーザークラス協会
協力 鳥取県セーリング連盟、レーザー境港フリート

帆走指示書

 1. 競技規則
 1.1. 本大会は国際セーリング競技規則(2009~2012)(以下RRS)に定義された規則を適用する。ただし、これらの規則等のうち、この帆走指示書によって変更されたものを除く。帆走指示書(以下SI)において和文と英文が矛盾する場合には、和文が優先される。
 1.2. RRS付則Pを適用する。
 1.3. RRSA11に下記を追加する。ARB:仲裁後の得点ペナルティーPTS:フィニッシュ後のイエローフラッグによる得点ペナルティー
 1.4. 主催団体は各競技艇に対し大会スポンサーの広告を艇体に表示するよう要求する場合がある。

 2. フリートの識別
 2.1. SI6.2.の場合、競技艇はレース中、レース委員会により供給されたフリートの識別バンドを、ボトムマストのバングタングとグースネックとの間に、色の識別が出来るよう取り付けなくてはならない。
 2.2. フリートの識別バンドは、出艇申告受付時にレース委員会によって配布され、帰着申告時に返却されなければならない。

 3. 競技者への通告
 3.1. 競技者への通告は、境港公共マリーナ艇庫前に設置された公式掲示板に掲示される

 4. 帆走指示書の変更
 4.1. 帆走指示書の変更はそれが発効する日の9:00までに掲示される。ただしレース日程の変更についてはそれが発効する前日の19:00までに掲示される。

 5. 陸上で発せられる信号
 5.1. 陸上で発せられる信号は境港公共マリーナ艇庫前の信号柱に揚げられる。
 5.2. 陸上にてAP旗が掲揚された場合、レース信号AP旗説明文中の「1分」を「45分以降」と置き換える。
 5.3. V旗がAP旗と共に掲揚(フリート識別色旗と共に掲揚される場合がある)された場合は、“艇はV旗が降下されるまで出艇してはならない”を意味する。

 6. レースの方式
 6.1. 参加艇数が70艇以下の場合、1つのフリートによりレースを行う。
 6.2. 参加艇数が71艇以上の場合、グループ分けによる予選と決勝シリーズを行う。
 6.3. 予選シリーズ
(a) 予選シリーズは、艇は黄・青・赤・黒の4つのグループに振り分けられる。各グループは、大会の参加総艇数の約 4 分の1ずつで構成され、各レースにおいて、総当り形式で組み合わされた2つずつのグループが、それぞれのフリートとされる。2日目以降のグループは以下の手順により振り分けられる。
シリーズ順位グループ
1位 黄
2位 青
3位 赤
4位 黒
5位 黒
6位 赤
7位 青
8位 黄
以下 繰り返し
(b) 予選シリーズの間、艇はその日のレース終了後、抗議や救済の未決定にかかわらず、その日の19:00に有効な得点を基に、各グループに振り分けられる。その日レースが行われなかった場合、翌日のレースにおけるグループの振り分けは変更されない。
(c) 予選シリーズの間、2つのフリートのうち一方のレースが当日完了しなかった場合、あるいはフィニッシュ後に中止された場合、もう一方のフリートのレースは中止される。これはRRS32(スタート後の短縮又は中止)を変更するものである。
 6.4. 決勝シリーズ
(a) 予選シリーズはレース日程を2日間終了し、かつ最小3レース完了した場合に終了する。
(b) 艇は予選シリーズの得点を基に決勝シリーズでゴールドとシルバーフリートに割り当てられる。決勝シリーズのフリートは可能な限り同じ数の艇で構成される。ゴールドフリートには予選シリーズの順位が大会の総数の上位二分の一が、シルバーフリートにはその他の艇が振り分けられる。シルバーフリートの艇数がゴールドフリートよりも大きくなることはない。
(c) 決勝シリーズへの割り当てが終了した後は、救済の決定による上位フリートへの昇格を除いて、予選シリーズの得点のいかなる再計算も割り当てに影響を与えない。
 6.5. 決勝シリーズでのそれぞれのフリートの間では終了した決勝レースが同数でなくても良い。

 7. 日程
11月04日(金)
08:30-11:00 受付・計測
11:00-11:30 開会式・艇長会議
12:25最初のクラスの予告信号、3レースを予定
11月05日(土)
09:25最初のクラスの予告信号、3レースを予定
11月06日(日)
09:25最初のクラスの予告信号、3レースを予定
16:00表彰式、閉会式
 7.1. 11月06日のレースにおいて、14:00以降に予告信号が発せられることはない。
 7.2. 日程より2レース以上前倒しされない場合に限り、1日につき1レースの追加レースを行うことがある。
 7.3. フィニッシュラインに位置するレースコミッティボートにL旗が掲揚されている時は「引き続き次のレースが実施される」を意味する。
 
 8. クラス旗とスタート順序
 8.1. SI6.1.の場合、クラス旗は緑地のレーザー旗
 8.2. SI6.2.の場合、クラス旗は各グループ/フリートの色の旗
 8.3. スタート順序は以下の通りとする。
(a) 予選シリーズ
 レース  スタート順  グループ
1  1  黄・青
1  2  赤・黒
2  1  黄・赤
2  2  青・黒
3  1  青・赤
3  2  黄・黒
4  1  赤・黒
4  2  黄・青
5  1  青・黒
5  2  黄・赤
6  1  黄・黒
6  2  青・赤

(b) 決勝シリーズ(全てのレース)
1 1 ゴールド(黄)
1 2 シルバー(青)

 9. コース
 9.1. 添付図1はコースを示し、マークの回航順・通過する方向を示している。
 9.2. 各レースの予告信号より前に、レースコミッティーのシグナルボート上に最初のレグのおおよその方位が表示される。
 9.3. 帆走すべきコースは、予告信号と同時又はそれ以前にスタートラインのスターボード端に位置するコミ ッティーボートに掲げられる数字旗により次のとおり示される。

数字旗 1 (outer loop):S-1-2-3-2-3-F
数字旗 2 (inner loop):S-1-4-1-2-3-F

 9.4. コースは4以上のレグを回航した後に短縮される場合がある。

 10. マーク
 10.1. 通常の1,2マークは黄色円筒形ブイ、3,4マークはオレンジ色三角錐形ブイとする
 10.2. SI13による新しいマークは黒色の帯が付いた黄色円筒型ブイとする。
 10.3. スタートマークはスターボードの端にあるレース委員会信号艇と、ポートの端にあるオレンジ色三角錐形ブイとする。
 10.4. フィニッシュマークはフィニッシュラインのポートの端にあるレースコミッティボートとスターボードの端にある赤色円筒形ブイとする。

 11. スタート
 11.1. レースはRRS26を使用して行われる。
 11.2. スタートラインはスターボード側スタートマークのオレンジ旗を掲揚しているポールとポート側スタートマークのコース側との間とする。
 11.3. まだ予告信号が発せられていない艇は、先にスタートするフリートの予告信号からスタート信号までの間、スタートラインに近づいてはならない。
 11.4. スタート信号後4分を越えてスタートした艇はDNSと記録される。これは競技規則 A4.1 を変更するものである。

 12. スタートのペナルティー
 12.1. 通常のペナルティー
黒色旗が準備信号として掲揚されない場合、全てのスタートに下記のルールが適用される。(これは RRS29を変更するものである)
「スタート信号前1分間の間に艇体・乗員・艤装のいずれかの部分がスタートラインと1マークで構成 される三角形の内側に入ったと確認された場合、その艇は審問なしにそのスタートを失格とされる 」
 12.2. 黒色旗ルールの罰則RRS30.3に下記を追加する。 セイルナンバーを少なくとも3分間掲示する。ナンバーを最初に掲示する時に長音が発せられる。ナンバーが掲示された艇は、次の新しい準備信号までにSI12.3に定義されるレースエリアから離れなければならない。それに従わない場合その艇はDNEとして記録される。
 12.3. レースエリアの定義
スタート信号前、レースエリアはスタートラインを含む100mの範囲とする。スタート信号後、レース エリアはいずれかの艇・フリートがレースを行っている間、マークを含み、艇が通常帆走すると考えら れる地点の外側 100mの範囲内とする。 レース委員会がRRS30.3の適用をし、艇にRRS62.1(a)に基づく救済を認めた場合、その艇のセイルナンバーを掲示せず失格にしないことで救済を与えることがある。(これは RRS30.3,60.2, 63.1を変更するものである)

 13. コースの次のレグの変更
 13.1. コースの次のレグを変更するためにレースコミッティーは新しいマークを設置し(またはフィニッシュラインを移動し)、実行できればすぐに元のマークを除去する。その後の変更で新しいマークを置き換える場合、そのマークは元のマークで置き換える。

 14. レースの中止
 14.1. RRS32.1を原則に、レース委員会は大きな風の変化や、風速が5knot以下になった場合、レースを中止することが出来る。競技者はレースコミッティーのこの判断に対し救済を要求することは出来ない。(これは RRS 60.1(a)を変更するものである)

 15. フィニッシュ
 15.1. フィニッシュラインは、ポートの端にあるフィニッシュマーク上にオレンジ色旗を掲揚しているポールと、スターボードの端のフィニッシュマークのコース側との間である。

 16. ペナルティー方式
 16.1. フィニッシュ後にRRS付則Pによる1回目のペナルティーを課せられた場合、審問なしに10%の得点ペナルティーが与えられる。

 17. タイムリミット
 17.1. 先頭艇のフィニッシュ後20分以内にフイニシュできない艇はDNFとして記録される。これはRRS35及び A4.1 を変更するものである。

 18. 抗議
 18.1. 抗議はプロテストタイム内にレースオフィスで入手できる書類に記入し提出しなければならない。プロテストタイム終了時刻は、プロテスト委員会によって延期されない限り、当日最後のクラスのレースの最終艇フィニッシュ 60分後とする。プロテストタイムが延長される場合には公式掲示板に掲示される。
 18.2. 抗議の通告はプロテストタイム終了後30分以内に公式掲示板に掲示される。審問はプロテスト委員会事務局で行なわれる。
 18.3. レース委員会又はプロテスト委員会によるRRS61.1(b)に基づく艇に対する抗議は、プロテストタイム終了までに公式掲示板に掲示される。
 18.4. 審問の当事者は大会の最終レースのプロテストタイム終了時刻後にそれまでの日の審問の再開を要求することはできない。大会最終日は判決を通告後15分以降に審問の再開を要求することはできない。 これはルール66を変更するものである。
 18.5. SI2.1,5.3,11.3,26,30の違反は艇による抗議の対象にはならない。これは RRS60.1(a)を変更するものである。プロテスト委員会はこれらの違反に対して失格に代わるペナルティーを課すことがある。
 18.6. SI1.2に基づき、RRS42条違反に対するペナルティーを課せられた艇のリストは公式掲示板に掲示される。

 19. 調停システム
 19.1. プロテスト委員会による審問の代わりに、競技者に抗議の調停を選択する機会が与えられる場合がある。審問に先立って当事者全員が調停官の決定を受け入れる事に同意しなければならない。調停は RRS63,64を変更するものである。
 19.2. 調停官はプロテスト委員会の2名のメンバーで構成される。彼らは当事者から証言を聴取し、どの艇がルールに違反したか裁定を行う。この裁定は当事者の抗議判決となる。しかしながら、当事者が審問の再開を求めた場合は、RRS66に基づき審問が再開され、その場合の罰則はDSQ となる。調停官がプロテスト委員会に任せるか、プロテスト委員会が審問の再開を要求した場合には、SI19.3に規定された罰則もしくはそれより重いものになる。
 19.3. 調停官が艇に罰則を科す場合にはそのフリートの参加艇数の30%(整数に切り上げ)の得点ペナルティーが与えられる。
 19.4. 抗議の調停が提示されたときに、抗議の当事者が調停の選択を拒否した場合には、抗議の審問は通常ど おりに行われ、罰則の内容はDSQもしくは DNE となる。

 20. ホイッスルシステム
 20.1. 海上での艇へのペナルティーを促すため、プロテスト委員会のメンバーはルール違反があると認めた場合にはホイッスルを吹くことがある。

 21. 得点
 21.1. 本大会は9レース(予選シリーズ6レース,決勝シリーズ3レース)を予定し、予選シリーズとゴールドフリートで完了した決勝レースの合計が2レース以上で成立する。
 21.2. 予選レースでは RRS付則Aの低得点方式が適用される。艇の大会の得点は予選シリーズの得点と決勝シリーズの得点の合計とする。
 21.3. 決勝シリーズはそれぞれのフリートでRRS付則Aの低得点方式が適用される。
 21.4. 予選と決勝それぞれのシリーズにおける各艇の得点はそのシリーズで4レース以上が完了した場合、最も悪い得点を除いたその艇の得点の合計とする。
 21.5. RRS42違反、SI19調停システムによる得点ペナルティーがDSQよりも得点が悪くなる場合は、得点ペナルティーはDSQと同じ得点とする。
 21.6. RRS付則A4.2の「シリーズに参加した艇の数」は、「そのレースにおける大きい方のフリートの参加艇数」と変更される。

 22. 安全規定
 22.1. レースをリタイアする艇は最初の適当な機会に、レースコミッティボートにリタイアする意志を伝えなければならない。

 23. 艇と装備
 23.1. 選手は大会計測で確認された1つのハル、セール、マスト、ブーム、センターボード、ラダーを使用しなくてはならない。
 23.2. 艇は直径6mm以上長さ5m以上のバウラインを搭載しなければならない。その一端はバウアイに結び付けられていなければならない。
 23.3.  艇と装備が損傷した場合、レース委員長の書面での許可を受けた場合にのみ交換することができる。
その日の最初のレースのスタート前90分以降からその日の最後のレースのスタート前までに破損が発生した場合、大会計測員もしくはレース委員会に口頭での臨時許可を得、その日のプロテストタイム終了前に書面での許可申し込みを行わなければならない。

 24. 計測
 24.1. 全ての艇は、下記日程内に艇の大会計測を受けなければならない。計測は境港公共マリーナ艇庫前において次の通り行われる。
11月04日(金)08:30-11:00
 24.2. 計測はレース委員会の判断により、この他の日時にも行われることがある。
 24.3. 濡れた衣服の計測および装備のチェックはレース委員会の判断により大会期間を通じて実施される。

 25. コミッティーボート
 25.1. 各プロテストボートは、JURY旗を掲示する。

 26. サポートボート
 26.1. サポートボートは最初のフリートの最初の予告信号から最終艇のフィニッシュまでの間レースエリアに入ってはならない。 ただし、レースの延期または中止あるいはゼネラル・リコールの信号が発せられた場合には、次の準備信号まではレースエリアに入ることが認められる。レースエリアはSI12.3により定義される。
 26.2. サポートボートがSI26.1を守らない場合、その罰則は関係する競技者に与えられる場合がある。
 26.3. SI26.2は救助活動には適用しない。

 27. ゴミの投棄
 27.1. 艇およびサポートボートは海上にゴミを投棄してはならない。

 28. 安全
 28.1. サインによる出艇申告は毎日出艇前に、クラブハウス2階の食事室に用意されている出艇・帰着申告用紙に自身でサインしなければならない。帰着申告は、選手はプロテストタイム終了前に出艇・帰着申告用紙にサインしなければならない。これらの要件が満たされなかった場合、選手は当日の全てのレースにおいて失格とされるか、2,000円の罰金が課せられることがある。
 28.2. 各競技者は海上にいる間、ライフジャケット又はライフベストを着用しなければならない。
 28.3. 救助艇の助けが必要な場合手を広げて振らなければならない。救助が必要でない場合には手を握って振らなければならない。
 28.4. 必要に応じてレース主催者のボートにより艇を放棄しレスキユーボートに乗るよう指示された選手はそれに従わなければならない。

 29. 無線
 29.1. 全ての艇はレース中、無線による通信を行ってはならない。これは携帯電話にも適用される。

 30. 賞
 30.1. 総合一位の選手にはレーザーラジアルクラス全日本チャンピオンのタイトルが与えられ、総合第 1 位~第 5 位の選手には、クラスルール付則にしたがってレーザーキューブトロフィーが授与される。

 31. 責任の所在
 31.1. 本大会の主催者・関係各団体及びレース委員会は、大会前、大会中、または大会後に受けた人的損傷もしくは 生命の喪失、または物的損傷に対するいかなる責任も負わない。またスタートするか、あるいはレースをやめるかどうかを決める責任は各競技者にある。
 31.2. 競技者は、自身が乗っている艇の操縦に関する一切の責任を無限に負うものであり、レース公示及び帆走指示書の内容はその責任を何ら制限したり減じたりするものではない。
 31.3. 個人的な事故や健康に関する保険はそれぞれの競技者個人の責任である。

添付図1
コース1の場合    数字旗1







コース2の場合    数字旗2